HONDA CB1100F(I)エンジン フルオーバーホール①
CB-F系のエンジン オーバーホールも定期的に入っております。今回のエンジンはどんな感じでしょうか。
オイル滲みがあるもののこちらも普通に走行していたエンジンです。最近では走行不能になってから持ち込まれることは少なくなりました。続きはコチラ!
経年劣化で大きな不具合もうかがっていないので比較的安心して分解ができます。
ポイントカバー側を外したらワンウエイクラッチはご覧のとおり押し戻されています。これでまだ滑りが出ていなかったのが不思議なぐらい。
カム山にも問題は無く、わずかにすじはありますがきれいな状態といえます。
ヘッドを外そうとしたのですが、、、アレ?
一か所ボルトになっています、スタッドではなく貫通ボルトにでもなっているのでしょうか?
えーっと、どういうことでしょうか?ヘッドにヘリサート建てて普通にボルトが締められています。長年メカニックをやっていますが、エンジンを開けてメインのスタッドボルトがなかったというのは初めての経験です。この状態で15年ほど走行していたそうで、出所のわからない車両って本当に怖いんだなぁと実感しました。
スタッドは途中で折れているとかではなく根元から存在しないようです。そしてここからいつも1100F&Rで苦労するシリンダー外しで、残りのスタッドにもかなり砂利が噛んでいるようなので覚悟して挑みました。
何とか先にスタッドを抜くことが出来たので予想よりは楽にシリンダーが抜けてくれました。で、ピストンですが、既にWisecoのオーバーサイズが入っていてしかも吹き抜けています。さてどうしましょう。
コンロッドの上下に異常なガタはありません。無かったスタッド部分を見ると根元から折れたとかでは無くケース側のネジ山が上がってしまったようです。その前回Wisecoを入れて組立てた時に上がってしまい、そのまま組み上げて走行したけどオイル漏れが酷く、とりあえずヘリサート建ててボルト入れてオイル漏れだけ止めたのかもしれません。
腰下は問題なさそうですね。それにしても、クラッチセンター等もかなりオーバートルクで締められていて、前回組んだ時はトルク管理はされてなかったのではないでしょうか。
あたり幅も広くなっていてIN側への吹き返しもあります。
そうなるとINバルブの傘にもカーボンが蓄積され、ポートの面積自体も小さくなってしまいます。
シリンダーとピストンをどうするか、それが決まればあとは通常通りのメニューで行けそうです。