未だ進化中?
自分たちは普段の作業の中で、同じ様な内容の作業というのはいくらでもあります。
何かを交換する、或いは何処かをオーバーホールする。
作業内容は同じでも、そのクオリティはというとやはり未だ進化していると思う。
その作業の工数が多ければ多いほどその進化する余地はまだまだ残っている、そう考えている。
今自分が行っているエンジンのオーバーホール等はよい例で、流石に一機前より進化しているかというと疑問だが、一年前から見れば確実にクオリティは上がっている。
それは道具のお陰であったり、今までの経験から来る発見であったり。
道具で言えば、
左はガスケットスクレッパーで、サイズや用途に依って使い分けるために主にこの3種類を使い、右はペンシル型リューターでポートのスムーシングなどで使う。ゴム砥石も番手違い径違いでこれだけの種類を常備し、1本数百円するがCBX一機仕上げる場合など数十本を使う。3mmシャンクのゴム砥石など数年前までこれほどの種類を揃えるのは難しかったが今では簡単に手に入る。
スクレッパーも真ん中の物は刃がセラミックで、スクレッパーとしては高価だが細かいところを速く確実に剥がしてくれる。
道具が部分的に時間を短縮してくれることはあるが、それがトータルの時間短縮になるかというとそうではなく、より細かい部分まで手が入ると言うだけであり、或いはさらに他の部分まで手を入れられることになり、結局トータルの時間は変わらない。
また同じ作業を行っているつもりでも、未だ新しい発見があったりする。つまりこれは自分たちがよりその作業に対して気を使える様になった結果、進化(深化)し発見があるのだと思う。
そう、自分はその作業の質、クオリティというのはその作業に対してどれだけ気を使えるか、だと考えている。だから一年先には同じように今の作業より進化したと思えるようにならなければいけないと思うし、その努力は続けていきたい。
ではエンジンのオーバーホールなどは先に延ばした方が良いのかと思われるかもしれませんが、CBXやCB-Fなど既に車齢が30年を越えているし、部品の事を考えると、ずっと乗り続けて行くのであれば早めに行った方が対費用効果は高いと思いますが。
念のために申し上げておきますが、これは決して以前オーバーホールしたエンジンのクオリティーが低いと言っているのではありません。耐久性等は全く変わっていないと考えていますし、常にそのとき自分の持てる経験や技術・知識は惜しみなく注ぎ込んで作業しているのでご安心を。