CBX ACGコンバージョンキットの組み込み
CBXやCBーFでは珍しくない程度に充電不良が発生します。
この原因はローターコイルの内部ショートの場合が多く見受けられます。また、テスターなどで点検していくとレギュレーターの内部破損と診断される場合も、その破損を招いたのがローターコイルと言う症例も多いです。
静止状態で抵抗値などを測定しても規定値なのですが、レアショートなどを起こしていると回転し発電中に何らか異常な電圧を瞬間的に発生させてしまい、それでレギュレーターが破損するようです。今までの経験からすると、本当にレギュレーターのみが原因で発電不良を起こした例は1件あるかないか、程度だったと記憶してます。
修理方法としてはローターコイルの巻き直しという方法でも対応可能ですが、ブラシの当たるリング部の摩耗があまりに多いと修理出来ませんし、今後のメンテナンス性や安定性を考えてACGコンバージョンキットをご購入して頂く事も最近は多くなってきました。
RemotionのACGコンバージョンキットはCBXもCBーFもノーマルカバーに対応しているため、外観は全く変わりません。その取り付け順序を追って説明していきます。
ACGを取り外しカバーA・Bを分割します。カバーAからステーターコイルとブラシホルダーを取り外します。キットのステーターベースを一度あてがってリブの立っている部分の面を荒らし付属の充填剤を塗布します。
ベースプレートを取り付けて、ステーターコイルのハーネスを這わせハーネスカバーを先に取り付けます。裏側に付属のカラーを入れてステーターコイルを取り付けます。
カバーBからシャフトとローターコイルを外します。再度シャフトを入れてキットのローターを入れ、付属カラー、ワッシャーの順に入れてナットを規定トルクで締め付けます。キットのスペーサーをボルト穴に合わせて入れます。
カバーAとBを合わせてボルトで締め付けます。これでACG本体は完成ですが、念のためクラッチプレートを手で回してみて引っかかりが無いかを確認しておきます。
ノーマルレギュレーターを取り外します。キットのレギュレーターを取り付けACGからのカプラーを結線し、もう一方はバッテリーに直接つなげます。ノーマルと同じようにメインハーネスにも発生電圧を送る様に考えたのですが、いろいろテストした結果直接バッテリーにつなげる方が効率的で安定することが解りました。
完成したらエンジンをかけて充電電圧を確認します。左側はアイドリングが安定してからのヘッドライト点灯でのアイドリング時充電電圧です。右側は2500rpmでの充電電圧(同じくヘッドライト点灯)です。これを見ていただければお解りかと思いますが、低回転からの立ち上がりも良く、安定して発電しています。(バッテリーの状態により変化します。)
今回は長い間ベアリング交換等を行っていなかったので、同時にベアリングやオイルシール交換も行いました。キットには必要な部品は全て揃っておりますが、ガスケットやベアリング類は別途ご購入して頂く必要があります。もし最近発電の状態に不安をお持ちでしたら一度ご一考下さい。
*ACGコンバージョンキット
・CBーF用 84,800,ー
・CBX用 89,800,ー