HONDA CBX(O) エンジンフルオーバーホール②
オーナーと打ち合わせを重ねて方向性も決まったので、エンジンの修正と組立てに入ります。
どういう方法で組み上げるかというと、続きはコチラ!カムギヤトレインはやめてカムチェーンに戻す事になりました。耐久性を考えるとあまりに現実的では無く、そのコストに見合ったものが得られないとの判断です。
しかしその場合の問題としてテンショナーBアジャスター部を切り落としているのとギヤトレインキャリアを取りつけるために座繰りが入っているのでシリンダーヘッドとシリンダーを交換しなければなりません。しかもクランクシャフトも交換が決定しており、どちらに転んでも通常よりははるかにコストのかかるオーバーホールとなってしまいました。
今回は大小メタル、ピストン周り一式にWPC+MOS処理を施しております。コンロッドは磨いてある部分には手を付けず重量合わせ。ピストンは今回BITO R&Dのピストンを使用。
この際なのでプライマリー関連も’82のものを探してワンウエイクラッチはリビルト。アイドリング付近でのごとごと音はプライマリーからも出ており’79-’80-’81と徐々に改良されていきました。
クランクシャフトは中古を仕入れて曲がり直しとダイナミックバランス及びジャーナル部はラッピング、そして6速クロスミッションの投入。
シリンダーはなんと海外で新品デッドストックを見つけられました。スタッドボルトのネジ山が切られてなかったりとかはありましたが、本当に新品でした。ただ当然ライナーには錆が発生していましたがボーリング前提なのでそれも特に問題はありません。
シリンダーヘッドも中古を仕入れてポート修正。
カムシャフトジャーナル部もラッピングし、通常は再使用するカムスプロケットも今回は交換。
WPC+MOS処理加工はカムホルダーにも施しております。ジャーナルラッピングと合わせて効果のあるところです。
エンジンの塗装も同じようにちぢみ塗装にて塗り直しておりますので、全てが一新された感じです。
乾式クラッチは各部点検、測定して問題ないのでそのまま再使用。
全体がちぢみ塗装でカバー類を金メッキしたりブラックボディFCRのスピゴットやファンネルをシャンパンゴールドにアルマイトしたりとシックで迫力のあるエンジンに仕上がってします。
もちろんエンジン性能的にも耐久性も向上し、何より音が本当に静かになりました。カムギヤトレインの時とは比べられませんがそれでも静かに組みあがったエンジンと思います。