CB1100F エンジン フルオーバーホール
またまた久々のご報告となりますが、菅野です。
間を空けず継続的に書くのは難しいですね・・・
今回はCB1100Fのエンジン オーバーホールの内容をご紹介させて頂きます。
では、どうぞ・・・
今回、ご紹介させて頂く車輌はCB1100Fになりまして、静岡県H様からのご依頼です。
状態はと言うと・・・走行中にガシャガシャと異音がしていたが、だましだまし走っていたら
突然エンジンが止まってしまったそうです。幸いクラッチは切ることが出来たそうで
転倒などの大事には至りませんでした。お体が無事で良かったです。
もともとオーナー様もエンジン オーバーホールを計画していたのですが、思った以上に
悪化するのが早かったようで入庫に間に合いませんでした。
とりあえず状態を確認するためにお近くのSHOPにてエンジンを降ろして確認したそうで
Remotionに入庫した時点では既にエンジンが降りている状態でご来店。
通常は作業をする前に試乗をして車輌の状態を確認し、圧縮圧力なども測定して
から作業に入ります。
ですが今回は既にエンジンが動かない状態なので分解前のデータがありません。
それでは手作りのCB-F専用エンジン台に乗せて点検&分解スタート!!
(写真として載せるならもっとカッコ良く台を作れば良かったです・・・でも使い勝手は良いのです。)
分解時には、些細なことも見逃さないように出来る限り疑って分解作業をしていきます。
クランキングしたときに引っかかりなどが無いか?
タペットやピストンクリアランスは適正か?
などなど確認することは山ほどあるので分解作業が一番時間を要します。
分解時に得られた情報を元に推測をすると今回、エンジンが故障してしまった主な原因として
考えられるのは、カムチェンテンショナーBのスプリングが折損したことによりカムチェンの張りが
無くなりカムシャフトスプロケットがギヤ飛びをしてしまいバルブタイミングが大幅にズレたことで、
バルブがピストンヘッドに当たってしまったことがトラブルの原因と考えられます。
ここからは写真で分解の様子をご覧下さい。
シリンダーヘッドを取り外したとこで確認をしてみると・・・
物の見事に4気筒すべてのバルブが写真のような状態でした。
バルブが曲がってしまうとバルブガイドが歪んだりクラックが入ったりするので
バルブ16本と合わせてバルブガイド16本を新品交換しました。
さらに分解は続きます。
おおよその点検&分解は終了!!
ここからは各パーツをさらに細かく測定などをして修正やバリ取りなどを施します。
一通りの修正などが終われば後は組み立てるだけ。
必要な修正などが済んでいる状態からなら組立は1日で終わります。
そしてフレームに載せてキャブレターなどを取り付けていよいよエンジン始動です。
ここが一番楽しくもあり一番緊張するところでもあります。
オーバーホール後はエンジンが始動するまではドキドキです。
何度味わっても緊張は消せませんね・・・
もちろん始動しなかったっことはナイですけどね(笑)
今回はCB1100Fのオーバーホールをご紹介させて頂きましたが、今回の車輌に限らず
最近は『カムチェン切れ、カムチェンテンショナー折損、カムチェンガイド折損』などの
トラブルによりエンジンが動かなくなってしまっての入庫が増えてきています。
また1100Fに関してはエンジン自体の負荷に依る物なのかは確かでは有りませんが、
750,900に比べても上記の様な症状が多い傾向が見受けられます。
エンジンから聞き慣れない異音などが発生したらSHOPなどで、早めの点検をお勧め致します。
もちろんお電話でのお問い合せにも出来る限り対応させて頂いておりますので、お気軽に
お問い合せください。
そして現在はCB750Fのエンジン フルオーバーホール中ですので完成しましたら、
またご報告させて頂きます。
では、また・・・