CBXエンジン フルオーバーホール 今年最後12機目 組立

通常一度オーバーホールしたエンジンは次回のオーバーホールまでには相当に時間と距離を走るものと思います。前回修正のページではファインチューニングと呼ばれる作業の一部をご覧頂きましたが、これは良い状態をより長く保つ為の作業でも有ります。逆にレースに使われる様なエンジンは頻繁に開けるので、バルブのポリッシュ等は行わなくてもなんら問題ありません。最新のエンジンではチタンバルブ等も使われており摺り合わせすら出来ないエンジンもありますが。

さて、錆が酷かったスタッドはブラストして耐熱塗装を施しました。先ずはスタッドを建てる所から初めます。勿論ケースの雌ネジ側の清掃は行ってから入れていきます。

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修正が全て終わっていれば腰下の組立は意外と時間がかかりません。コンロッドとクランク、ケースにはプレーンベアリング(メタル)が使用されています。パーツリストには各部品の記号から勘合表によってメタルの厚みを決めるようになっていますが、それはあくまで新品の状態での事です。既に年数も経っており距離も嵩んでいるエンジンでは各部が摩耗していますので、その勘合表はあてになりません。実際に測定してメタル合わせをしてから使用するメタルを選定します。なので実際に使用するメタルはだいたいいつも勘合表とは違っています。

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以前にも書きましたがコンロッドを締める時にはスラスト方向にシクネスゲージを挟み、コンロッドが傾いてメタルを潰さないようにしてから締め付けます。組立ではどの場所でも一番気を使うのはやはり締め付けです。それとミッションには位置決めのピンが有るのですが、以前開けられているエンジンでこのピン位置を考えないでケースを締め付けてピンを押し込んでしまっているのを何度も見ました。ケースアンダーにポンプ、シフトドラム&フォークを組み付けてクランクケースを閉じます。

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ひっくり返してピストン、シリンダーと組んでいきます。ピストンリングには上下があるのは勿論、組立時には合口の位置にも指定があります。

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ヘッドにバルブを組み込むのですが、バルブ廻りはスプリング、リテーナー、コッタに至るまで位置管理をしてあります。ヘッドを載せてカムシャフトを取り付けます。また、カムシャフトジャーナルはラッピングを施してから組み付けます。

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バルブクリアランスは#1を圧縮上死点にして12箇所、#6圧縮上死点にして12箇所測定します。シム交換は順次クランクを回して行うのですが、CBXやCBーFの様にアウターシムは専用工具で簡単に脱着が出来るのでまだよいですが、インナーシムの場合カムシャフトを取り外さないとシムの脱着が出来ません。

その他クラッチやシフト廻りを組めば完成となります。

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今回もお付き合い有り難う御座いました。そして今年一年本当に有り難う御座いました。また来年もより皆さんに喜んで頂けるよう精進して参りますので、宜しくお願い致します。