CBXエンジン フルオーバーホール 2011 No.2組立
今年2機目の完成です。
以前の状態とは比べようが有りませんが、クラッチアウターにガタが出ている事を考えればかなり静かになり、スムースなエンジンになったと思います。
ケース内をご覧頂ければ解りますが、オイルの焼けやスラッジが有っても洗浄すればかなり綺麗に落とす事が出来ます。メタルを填め、クランクシャフト・プライマリー・ミッションと順に組み付けていきます。
クランクケース締結部、メインジャーナルとその他8mm雌ネジは必ずヘリサート修正を行います。ここ数年このメインジャーナル部のネジ山が崩れてしまうエンジンが多く、一度規定トルクで締められたにも関わらず少し走ってから崩れてしまった事もあり、Remotionでのオーバーホールでは必ずヘリサートを建てる様になりました。崩れる場所は大体きまっているのですが、締結状態を均一にするため全ての8mm部は行います。
ケースアンダーにオイルポンプ・シフトドラム&フォーク関連を組み付けてケースを合わせます。この時点で必ず1速から5速までスムースにシフト出来るかを確認します。
ピストンを組み込み、シリンダーを入れていきます。この際ピストンを入れるときもシリンダーを入れるときも内側から入れて行く方が簡単です。シリンダーを組んだ段階で一度クランキングして動きを確認します。
ヘッドにスプリングシート、ステムシール、バルブを組んでバルブスプリングとコッターを24バルブ全てセットして専用工具で一気にコッターを組んでいきます。ステムシールがまだシールとして機能している場合はバルブを入れても自然には落ちてきません。ヘッドを載せて締めます。
タペットシムを薄い物に全て交換してから右側のカムシャフトを組み、クランクを回して左側のカムシャフトを組みます。クランクで6周(カムシャフトで3周)させてシムを座らせてからクリアランスを測定し、0.08に近づけられるようシムを選定します。選定したシムを順次交換して再度クランクを回してからクリアランスを測定。1回のシム交換で終わる事はなく、大体2・3回これを繰り返してクリアランス調整の終了です。
非常に解りにくいと思いますが、クラッチアウターのギヤ部分に刃先でおよそ1mmほどガタが有ります。たった1mmですが僅かでもガタが有ればゴトゴト音は確実に出ます。しかしこの音はアイドリングから1500rpm付近までですし、よほど大きなガタが出ない限り音以外に何らか悪影響を及ぼす事もありません。クラッチ・シフト廻りを組んでエンジン本体は完了です。
エンジンオーバーホール時にはACGも分解しベアリングや必要な物は交換します。今回も外側のブラシが結構摩耗していましたので合わせて交換しました。
以上で全てが完成となります。