CBXエンジン フルオーバーホール 2011No.5分解
#1に火が入らないとの事で持ち込まれましたが、オイル上がりが酷くプラグが直ぐにかぶってしまう様です。まずは冷間ですが圧縮を測定すると、
#1/8.5 #2/8.0 #3/9.0 #4/10.0 #5/9.5 #6/10.3
と言う数値が出てきました。プラグ清掃と簡単な調整をして何とか全ての気筒で火が入り暖機運転してから再度圧縮を測定すると、
#1/7.8 #2/8.3 #3/9.8 #4/10.2 #5/9.0 #6/9.3
ほぼ変わらないか下がってしまっている気筒もあります。オイル上がりでEXフランジからオイルが出てきてしまうぐらいですからピストンクリアランスは相当に大きいのではと考えました。では分解作業に入りましょう。
ヘッドカバーを開けるとオイルが焼けた匂いがかなりします、しかしカム山などには虫食いや傷など大きなダメージは無い様です。
カムシャフトを外し、ジャーナル部分を確認しますが、こちらもダメージは有りません。ジャーナルに大きな傷が入っているとヘッド交換になってしまうのでとりあえず一安心。カムチェンテンショナーBにクラックが入っていていつ破損してもおかしくない状態ですが、まあいつもの事です。
ヘッドを外すと#2シリンダーに深い縦傷を発見しました。油膜が切れたかカーボンでも噛み込んだものと思われます。シリンダー、ピストンと外していきます。コンロッドに曲がりや端部摩耗は無い様です。
シフト、クラッチ廻りを外してケースを裏返します。
オイルパンを外し、ケースを割ってミッション、プライマリー、コンロッドと順に外しクランクシャフトを取り外します。
アンダー側からシフトフォーク・ドラム、オイルポンプを外します。
ヘッドからバルブを外します。オイルがEXから出るくらいなのでバルブのガタが大きいかと思いましたが、さほどではなくガイドの打ち換えまでは必要無い様です。
これで分解は完了で、この後各部測定と修正に入ります。