HONDA CBXエンジンオーバーホール(O) その3
方向性も決まり修正も完了すれば後は組み付けていくだけです。
いつも通りここからスタートです。
メタルを取り付ける部分というのはオイルなどを塗布せず組み付けます。メタルを使用する部分のクリアランス管理はとても厳しく、メタル勘合しても組み付ける時に潤滑剤を塗布するとその分の厚みでクリアランスが変わってきてしまいます。良く脱ししてから組み付け、当て木などをして叩いて座らせてからクランクシャフトを載せていきます。
コンロッドのメタルも同じ考えです。
問題のプライマリーチェーンテンショナーですが、当初中古の良品で対応しようと考えていたのですが、少し探してみたら海外に1つだけ在庫があったので、今回は貴重なストック品を使用する事が出来ました。
その新品のチェックバルブ部を覗いてみると、
この様にカシメてあり通常外れる様な事はありません。
このテンショナーは油圧でテンションを掛け、ワンウエイバルブで液圧縮させて保持する機構になっています。油圧だけではとてもプライマリーチェーンを保持する事は出来ません、なのでこの様にワンウエイバルブが破損してしまうとチェーンがかなり遊んでしまいます。
プライマリーシャフト、ミッションなど入れてアッパー側の完了。
シフト関連をとオイルポンプをアンダー側に取り付けケースを合わせます。
なんかやっと見慣れたエンジンになりました。
結局シリンダーは中古を用意してボーリングとなったのですが、今回用意出来たシリンダーが既にオーバーサイズになっていたので、3mmオーバーのワイセコでの対応となりました。
ヘッドを載せ、カムシャフトを組みます。
クリアランス調整は4気筒でも6気筒でも#1を圧縮上死点にした時と#6を圧縮上死点にした時の2回に分けて行います。
シフトシャフトやクラッチなどを組み付ければ全て完成となります。
勿論テスト走行して最終確認してからお渡しするのですが、当然なのですがお預かりした時よりも随分とスムースな回転となり、これが6気筒だよなあ、と改めて思いました。