CBXエンジン 今年8機目完成

全体的に経年劣化が多かったエンジンでしたが、完調に出来ました。

テスト走行を行いましたが、低速でのばらつきがあり、どこかに火が入っていないようです。

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圧縮圧力を測定し、ヘッドカバーを開けてバルブクリアランスを測定します。その二つの測定値でおおよその状態を予測して分解に入るのですが、このエンジンは圧縮のばらつきが大きく、クリアランスが規定値以下か規定値以上となっており、実質的な圧縮が落ちていたものと思われます。それとカムシャフトギヤを取り外す際、ボルトが既に緩んでおり、テスト走行で抜け落ちなくて本当に良かったと思いました。

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各部の状態やクリアランスなどを測定しながら分解を進めます。バルブやポートにはカーボンの蓄積が多く、吸入効率もかなり下がっていた模様、ピストンクリアランスは考えていたほど大きくは無かったのですが、クランクシャフトの曲がりが限度値を越えるほどに大きく曲がっています。

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ポート修正から始めます。カーボンを落とし、段差を無くしてスムーシングを施します。今回はエンジンのペイント作業も有りましたので、この時点でエンジン外部は全て塗装作業に出します。

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その間にバルブのポリッシュやピストン・コンロッドを0.1g以内に重量合わせをし、シフトドラム&フォーク摺動部のポリッシュ、ギヤミッションドッグ部のバリ取り等を行っておきます。

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そしてカムチェンテンショナーAが既に販売中止となっておりますが、Remotionでは本体部分は再使用してテンショナー部のみを交換するリビルトを行っております。

塗装が上がった物を今度は内燃機を行います。シリンダーライナーに緩みが出ており、ボーリングをする際ライナーが回ってしまうので、このエンジンでは回り止め加工を施してあります。また、’79カムシャフトを持ち込まれたのですが、錆が少し出てしまっており、そのまま組み込むことが出来なかったので、WPC+MOS処理を施しました。

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塗装をした場合、各部にまだ砂が多く残っており、通常よりも念入りに洗浄してから組立作業に入ります。また、エンジンを塗装する場合にはボルト類も必ず再鍍金もするようにしています。

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今回のエンジンはクランクシャフトの曲がりが大きく、その為にクランクケースそのものにも歪みが出ておりました。こういった場合はメタルで調節するしかないのですが、充分に慣らし運転が必要になります。