CBXエンジン フルオーバーホール 2011 No.1分解
今年も既に1機目が始まっております。
走行してご来店された車両なので、大きな問題は抱えて無いのですが、やはりオイル消費量がとても多いエンジンとの事でした。
いつも通りテスト走行を行い、エンジンの状況を把握しておきます。
プラグの焼け具合を見て、圧縮を測りましたが、全体的に低い数値となっておりました。
早速降ろして分解を始めましょう。カムの山やジャーナル部を点検しながら外して行きます。
前回書いたようにカムシャフトの内側を洗浄するとご覧の様な墨汁にも似た汚れが出てきます。テンショナーBに大きなクラックが入っているのが見えます。
ヘッド、シリンダーとピストンを順に外していきます。
クラッチなどの補機類を外し、クランクケースをひっくり返します。
ケースを割り、ミッション、コンロッド、ポンプなど順に外していきます。
これで一応大まかな分解は完了です。ここから先ずは各部を測定していきます。
クランクは限度値内ではありますが修正して”0″に近づけます。ピストンクリアランスを測定しようと確認していたら、ライナー内壁に鋳穴があるのを発見しました。この時点でボーリングする事は決定してしまいましたが、はたして純正オーバーサイズで取りきれるかが問題です。
ヘッドの分解をします。バルブやポートにはやはりカーボンの蓄積が多く、シートにも噛み込んでおり、これらが圧縮低減の主な原因と思われます。また、バルブを外す際は1本づつガタや曲がりを確認しながら外していき、番号を振り分けられたケースに収納していきます。
いつも分解した部品類はパートに分けて大体パレット3個に収めます。また今回このエンジンのテンショナーB調整ボルト部が純正出ないボルトに交換されており、また雌ネジ部にもヘリサート修正されているのですが、それが既に崩れていました。この部分はどう修正するか要検討です。