CBXエンジン フルオーバーホール 2011 No.3分解
今年も既に3機目となりました。
既に数年間不動の状態でエンジンを掛けることが出来ません、慎重に作業を進めて参りましょう。
このエンジンもテンショナーBアジャストボルトが太い物に変わっています。しかもテンショナーBのシャフトまでボルトの頭が届いておらず、ロックしてませんのでカムチェンBは張られていない状態であった様です。また、タコメーター取り出し部のオイルシールが逆に組まれていました。何らかの理由でエンジンが開けられたのだということは解りました。
カムシャフトの山やジャーナル、ヘッド側には特に問題無い様です。走行距離的には少ないエンジンに思えるのですが、オイル管理はあまり良くなかったのでしょうか、焼けた匂いが結構します。
テンショナーBも大きなクラックが入っています。ヘッドナットの1箇所が突き抜けており、確認したらシリンダースタッドのクランクケース側のネジが上がっておりました。
ヘッド、シリンダー、ピストンを外していきます。シリンダーライナーにはやはり薄く錆が出ておりましたが、この程度なら充分純正オーバーサイズで消えるでしょう。
オイルフィルターのスプリングとシートが逆になって入っています。この為フィルターのラバーリップ部がめくれております。その他クラッチ、シフト関連を外してひっくり返します。
多分分解されたのはヘッドまでの様に思います。オイルポンプストレーナーにはスラッジはほとんど無く、やはり走行距離も少ないものと思われます。
バルブ廻りを分解していきます。特にガタなども無く問題は見あたりませんでした。勿論インレット側へのカーボン付着が見られますので、シートの密着不良があり圧縮は多少落ちていたのでしょうが、修正すればなんら問題はありません。
EXも含め全てのスタッドボルトは一度取り外しをするのですが、このエンジンではEXスタッドのほとんどが折れてしまい、この部分に関しては全てヘリサート修正になります。シリンダースタッドといいテンショナーB部といい通常よりヘリサート&ネジスリーブ修正が多いエンジンとなってしまいました。
いつも通りこの後クランクシャフトの曲がり等測定及び点検して各部修正に入ります。またこのエンジンは耐熱塗装も行うので、ヘッドの修正が終わった時点で先ずは塗装になります。