CBX オーバーホール後19万kmのエンジン
Remotionにてオーバーホールした後19万km走行したエンジンを開ける機会に恵まれました。これは自分にとってとても嬉しい機会です。
しかし今回は開くまで延命措置として、カムチェン、テンショナー、プライマリーチェン、ピストンリングの交換のみの作業です。通常であればお断りする作業内容ですが、もう長いお付き合いのオーナーですし、ご自分でもある程度メンテナンスを行う方なので、ご理解を頂いた上で作業をさせて頂きました。
先ずは現状の確認、カムチェンテンショナーBのアジャスト部分は見たことが無いほど奥に行っています。しかしインマニの中を覗くと思ったほど汚れておらず吹き返しも少ない様に見えます。
早速分解していきます。今回は少々変速的な作業ですので、ヘッドとシリンダーは分解せず、腰上と腰下で分解します。
そして各部の汚れ具合等を確認するのですが、なんか拍子抜けするぐらいカーボンの蓄積など少なく、自分の行っている作業が正しいのだと再確認出来ました。
やはり鋳肌を落とす事とか、バルブをポリッシュすればカーボンの蓄積は明らかに抑えられる様です。蓄積が少なくなればバルブシートに噛み込む事も少なくなり圧縮抜けもおきにくくなります。
しかしチェーン関連は完全に伸びきっていて、テンショナーの劣化もありますが全て調整範囲を超えておりました。また、プライマリーチェーンは伸びすぎてオイルパスチューブに接触しており、チューブ部分の半分を削り落としていました。そしてピストンリングも劣化しておりオイル消費は激しかったと聞きます。
その他クラッチアウターの内側もこんな状態、回転物の内壁はスラッジが溜まります。
取り出したピストンだけは綺麗に清掃して組立します。
シリンダーへ先にピストン&コンロッドを入れてしまいます。
そこにアッパークランクケースを被せ、
クランク、ミッションなどを入れてケースを合わせます。
最後にタペットクリアランスを点検して終了、これぐらいの作業であれば直ぐですね。
今回改めて思ったのですが、比較的優しい運転をされる方ではありますが、この距離を走ってこの程度なので、オーバーホール後10万kmは充分良い状態を保てられると確信しました。